ここでもう一度、カナダと日本の医療システムの違いについて考えてみる。
まず、カナダではファミリードクターに受診しなければならないこと。
日本みたいに先生が好きだから、近いからと自分で選んだ場所に行くことはない。
かかりつけの医者を見つけて、何か健康上の問題があったらアポイントを取ってそこへ行く。
かかりつけの医者が決まっていない場合は、ウォークインクリニックに行く。
皮膚の病気だろうが耳が痛かろうが、まずはかかりつけのファミリードクターへ。
もしかして癌?って思ってもファミリードクターへ。
そこで治療ができないとかさらに専門的な診断が必要となると、専門医に紹介される。
皮膚科がそのよくあるパターン。
皮膚科に紹介されてもアポイントが取れるのは2ヶ月、3ヶ月先とかそれ以上。
アレルギーとか季節的な症状だったら、診てもらう頃には症状は無くなってることもあるんじゃないかな。
日本みたいに、内科だ、皮膚科だ、耳鼻咽喉科だと個人経営のクリニックがあちこちにあってすぐに受診できるわけではなく、大きな病院も基本的には公立しかなく、病院は日本のような外来受診はない。
大きな病院はそもそも、急患と、手術、深刻な病気や怪我の治療をするところ。
私が住んでいる市には病院が確か4つある。
一つは癌専門の病棟を持っていて、力を入れている。
加えて大学病院があり、ここも市の医療と連携して診てくれたり、大学の医学部の学生が病院で研修を受けたりする。
私が住んでいるオンタリオ州の健康保険は、オンタリオ州に住む人が入れる保険で、私のような移民はもちろん、日本人でも必要なビザがあって一定期間以上住んでいれば入ることができる。
基本的に医療費は100%カバーされる。
コロナのワクチン打っても、足の骨が折れても、癌になっても、診療、入院、手術費などを払う必要はない。
例外は、歯科、眼科、薬代、入院の時に個室を選んだりとかは実費。
今回の私のようなエマージェンシーの受診料や治療、入院費、手術代もただ。
保険料は税金で取られているので、毎月いくらとか毎年いくらとかで払う必要はない。
日本の健康保険は、今は3割なのかな?
それはありがたいけれども、保険料が結構高いはず。
今回の私の手術を日本で受けた場合、保険が適用されて3割負担となっても10万円〜18万円くらい。食費が別だったり、さらにいろいろ取られたりする。
日本の保険のいいところは、歯科、眼科、処方薬にも適用されるところ。
と、少し詳しく比べてみたけれども。
何が言いたいかというと、手術となると費用もかなりかかってくるわけですよ。
それがタダでいいとなると、ものすごく助かる。
ナースの態度が悪かろうが、エマージェンシーでだいぶ待たされようが、結果オーライならばカナダの保険に文句はない。
結果オーライならばね。
癌の手術なんてもっと費用がかかる。それもタダになるなんてすごいことだと思う。
毎年「あなたの保険料はこれだけですよ」と請求されてそれを払って、さらに医者に行けば3割と言っても払わなければならないのも大変だと思うのよ。
そんなわけで、今回はありがたいな、カナダにいて良かったなと思ったのでした。
ただね、やっぱりファミリードクター制度とか、皮膚科に辿り着くまでに何ヶ月もかかってしまうとか、今回の私みたいに手術を受けるのに何ヶ月も待たないといけないとか(そのはずだった)はよくない。絶対良くない。
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