壁の向こう側では、
命がけで働いている人がいて、不自由でも文句を言わずに堪えている人がいて、
人の為に、自分の為に一所懸命になっている人がたくさんいて。
そんな人達をただ見ているだけの人もいたり、見向きもせずに自分の好きなことをしてる人もいたり。
そして、壁の外にもおろおろしている人がいて、向こう側に向かって手を差し伸べる人もいて、
そうかと思えば、
ちら見だけしていつもと変わりなく生活している人もいたり、
向こう側には全く気にも留めない人もいたり。
私は壁によじ登り、向こうの様子を気にして眺めてははらはらどきどきして、
そのうちに、壁から降りることができなくなった。
そして、いろんな人が居ることに酷く戸惑う。
複雑な心境になる。
自分だっていつもの様に、
ご飯を食べたり、出掛けたり、本を読んだりしているけれど
それをいつもの調子で、声に出したり人に話したり書いたりはできないな。
しばらくは、できないと思う。
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