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カナダのオンタリオ州H市よりお届けしています
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Profile
HN:
Yoshie
性別:
女性
職業:
ヴィンテージ雑貨店店主
趣味:
ヴィンテージ雑貨収集、アンティーキング、ガーデニング
自己紹介:
カナダのオンタリオ州H市在住。
だんな(夫・カナダ人)とJ.C.(息子 19歳)と猫2匹と暮らす。
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[05/09 けいちゃん]
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[04/29 けいちゃん]

日曜日。父の日。
実家の父には、母に聞いてリクエストを貰っていた帽子を送った。
本当はこっちから送りたかったけれどなかなかよいものが見つからず、インターネットで探したら夏向けの涼しい仕様になっている、しかもバード・ウォッチャーである父にぴったりのポイント柄がついたものを見つけてそれを送った。
電話をしたら、気に入ってくれた様子。
早速かぶってると言っていたので、うれしかった。よかった。

そしてこちらの父の日は、午前中に義父母のいる施設を訪問。
建物に入ってすぐにあった女性(コーディネーターとか言ってた)がだんなを見るなり、
「今日は、I wanna go homeデイよ」
という。
つまり、義母が「家に帰りたい」としきりに言ってるということ。
あぁ、嫌な時に来ちゃったなと思いながらもエレベーターで義父母の部屋のある階にたどり着くと、詰め所に集まっていたPSW達がだんなに
「おー、待ってたよ。今日は朝から I wanna go homeデイだよ」
「車もあげるし家も住んでいいし、お金もたーくさんあげるから、私をここから連れ出してよって
言われちゃったよー」と報告してくる。

ヤバいなぁ、と思いつつ気を取り直してドアをノックすると、義母のベッドに二人とも並んで座っていた。
たぶん、すねている義母を義父が慰めていたのだろうな。
もっとも、義父はもうあまり喋れないけれど。

案の定、だんなを向かい側に座らせて
「家に帰りたい」と繰り返す。
話をそらせようとしても、なかなかそらせることができない。
けれども今日は父の日。
カードを渡したり、お花を見せたり(庭から摘んで行った)、チョコレートをあげたり。
煩い義母にはチョコレートのおすそわけで口封じ、というわけではないけど、そういうものはしっかり受け取り、食べる。気分は I wanna go homeでも。

別の部屋のマリオというおじいさんが、ウォーカーを押しながら義父母の部屋にやってくる。
マリオも認知症であまり喋ることはできないが、だんながこうして訪問するとよく彼もやってくるそうだ。
たぶん、手土産目当て(笑)。
マリオにもチョコレートをあげて、サッカーのワールドカップの話をする。
明日はドイツの試合があるんだよと義父に教えると、義父はマリオに向かって握ったこぶしを高くあげて見せる。
その時の義父がなんだかとてもかわいくて、うれしいけれども切なくなった。

周りの人を困らせる義母とは反対に、義父はとても静かで、いつも笑顔で、ジェントルマンだとみんなに褒められている。
静かなのはあまり喋れないからでもあるけれど、普段から穏やかだった義父だから、喋れないなら笑っていると言うのがよくわかる。
義父は自分がもう家に帰れないということがわかっているみたいなので、自分は帰りたいとは言わないし、たぶんもう、家のことは忘れてしまっていると思う。

私達が帰る時、義父はエレベーターまで一緒に来てくれてドアが閉まるまで見送ってくれる。
自分が一緒にエレベーターに乗れないこともわかっている。


Happy Father's Day



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