年末年始にサービスで無料視聴できていた、60年代から90年代の映画が見られるチャンネル。
無料期間は終わってしまってもう見られないが、録画しておいた映画を週末にやっと見た。
エレファントマン
日本での公開は1981年。
私は14歳か。
中学生だった。
母と上野まで観に行った。上野の、公園入り口すぐの映画館だけれども、入り口といってもメインではなくて脇道っていう感じの。
で、周りには成人映画上映館とかあって、あんまり雰囲気のいい場所ではなかったから、なんだか不安だったのを覚えている。
なんで二人でこの映画を観に行ったのか、誰が言い出したのかは覚えていない。
小さい映画館でね。
満席だったな。
ものすごく感動したのを覚えている。
だから今でも好きで、でもNet Flixにもなかったし、観れる機会がなかなかなかったからずっと観たいと思っていた。
録画しておいてよかった。
デビット・リンチ監督。
そんなの、当時は全然頭になかった。映画の良し悪しに監督が誰であるかなんてその頃は影響しなかった。
今でも、この映画はきっと誰が作ってもいい映画になっただろうなと思うけれども、見返してみるとやっぱりリンチ色強い。
なんでこの映画が好きなのか、久しぶりに観て考えてみた。
答えが出た。
この映画には、全ての感情が詰まっている。
悲しみ、哀れみ、憎しみ、憧れ、狡さ、優しさ、嬉しさ、喜び、諦め、苦しみ。
言葉が思いつかないけれども、たぶん、人間が感じる全てが詰まっているような気がする。
映画を観てるとそういう感情を感じた時に、自分に突き刺さってくる気がした。
これが、実在した人の話だったと知ったのは、たぶん後々になってからだったと思う。
その頃はインターネットもなかったし、検索することもできなかったし。
映画を観終わった後、母とどんな会話をしたのか全く覚えていない。
暗い映画館の中に映る、白黒の画面だけ覚えている。
映画館のあった辺りの不安さとか、映画の音楽とか、白黒のくらい画面とかで最初は怖い感じがしたけれども、観終わった後にはそういう怖さは全くなかったのは覚えている。
エレファントマンは、私の中の「何度でも観たい映画」リストの上位に入る。