検査結果の待合所になっているゲート前には、私と一緒の飛行機で入国してきた人たちはいなくなってしまったみたいだ。
その後まばらに人が加わって、あとは団体さん。
イタリア人?クロアチアとか?そんな感じの外国人男性のご一行様が待っている。
遠くの方で、私よりも早くからそこにいる、ちょっと強面っぽい親父さん達がたむろしている。
この人達は何?
もしかして、すでに陽性確定とか、3日間の検疫所指定のホテル待機者?
私もこの御一行さんに加わってホテル行き?
不安が募る。
すると、フェイスシールドをしてユニフォームを着た検疫所のお姉さんが私のところにやってきた。
ー検査結果なんですが、判定ができなかったんですよ。もうひと方いるんですけど、たまにそういう方がいらっしゃるんです。
ガーン!やっぱりレベル3であるカナダから来たから検査も時間がかかっているのか?!
ーそれは、決して陽性かも?って言うことではないんですよ。まだ検査を待っているみなさんと同じ状態と思ってくださいね。
このお姉さんの言葉に救われました。
こういうのって大事。私がどれだけ不安でいるか、ちゃんとわかってくれている。
結構空港で働く人達って事務的で、威張っている感じがあったりするのだけど(カナダなんて思いっきり威張っているから)、日本はそうではないよね。
ーそれで、これから再検査になります。結果が出るまでにあと1時間半位かかります。このままお待ち下さいね。
え?これからまた検査をするの?検査をするのを待って、また結果を待たなきゃいけないの?!
その場にどれくらい座っていたかな?1時間くらいかな。
本当ならばもう出れてホテルに向かえるっていうのに、私はまだ再検査。
待てども待てども誰も来ない。
そのうち、ラテン系お兄さん達もみんな陰性と言われて出ていってしまった。
あの人達もみんな陰性?こんな状況で私が陽性だったら大変なことだわ・・・
そのうち、外は暗くなってきてしまった。
心細さマックスで、泣きそうになっているのを慰めてくれたのは
けいちゃん。
メッセンジャーで落ち込んでいる私を励まし、自宅近くの神社に行ってお参りまでしてくれた。
頑張らねば!がんばる!泣くもんかぁ!
しばらくしてから、もうひと方らしき人の番号が呼ばれた。
陰性の人が呼ばれるゲートに来てくださいと。
そして、私の番号が呼ばれた。あれ?再検査しないの?
ゲートに行ってみると、
ー良かったですね、陰性でしたよ
そうか。とった唾液を違う方法で再検査したということか。
しっかりと陰性の証明書をもらい、急ぎ足で矢印を追って進んでいく。
次は入国手続。
結構高齢の男性が、日本のパスポート?こっちですよ、と先導してくれた。
ボランティアかな?丁寧な優しさが身にしみる。
普段なら機械にパスポートをスキャンさせてスクリーンに顔を向けて通れるけれども、今はクルー用のゲートでパスポートを渡し、スタンプを押して貰う。
通過!
エスカレーターを降りて、今度はラゲッジクレーム。
降りながら見えた。私のスーツケース。
おじさんがカートに乗せて待ってくれている。
そこにまっしぐらに進むと
「だいぶかかりましたね。大変でしたね」
とおじさんが声をかけてくれた。身にしみるぅ。
税関カウンターに先導してもらい、申告書の紙を渡し、無事に通過!
いつもは出迎えで混雑する出口付近も、ガラガラ。
ホテルエリアを廻る帰国者専用の巡回バスを探して、外に出た。
心配してくれたけいちゃんに報告。
父に報告。
嬉し泣きしちゃいました。
バスは1時間に1本。どうやら次は7時15分。
だいぶ時間があったので建物内に戻ってATMの場所を聞き、お金を下ろす。
バスが時間にやってきて、私の他に6,7人乗せて無事に出発。
私のホテルは一番最後で私だけだったので、親切なバスの運転手さんがホテルの入口前に止めてくれた。
ようやくチェックイン!
長かった。ほんと長かった。
後で計算してみたら、最初の飛行機の出発時間から最後に成田についた時間まで39時間かかっていた。
さらにそこから検査云々で3時間以上。
よくやった自分!
もう怖いものはないね。
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